日本脂質栄養学会

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脂質栄養学のすすめ

脂質栄養学の広がりと、次世代につなぐ学会の役割

女子栄養大学教授 川端 輝江(日本脂質栄養学会理事長、2026年~)

川端輝江

かつては「動物性脂質を控え、植物性脂質を積極的に摂取する」といった単純な栄養指導が主流でした。しかし現在では、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸(オメガ9系脂肪酸)、多価不飽和脂肪酸であるオメガ6系脂肪酸およびオメガ3系脂肪酸といった、それぞれ異なる生理作用を有する脂肪酸を、目的に応じて適切に摂取することの重要性が明らかになってきています。

日本脂質栄養学会は、設立以来、脂質栄養、特にオメガ3系脂肪酸の摂取が、心血管疾患、アレルギー、皮膚障害、さらには精神・神経機能に関わる諸症状の予防や改善に寄与する可能性について、基礎研究から臨床研究に至るまで幅広く検討を重ねてまいりました。こうした研究の蓄積を背景として、近年の脂質栄養学は、食品素材に含まれる脂質の安全性評価や次世代食品素材の開発、動物実験によるメカニズム解明、ライフステージや多様な健康状態を考慮したヒトを対象とする疫学研究・介入研究、さらには予防医学への応用へと、研究の対象と領域を大きく広げています。

これらの研究対象と領域は互いに密接に関連しており、分野横断的な視点がこれまで以上に求められています。本学会には、多様な研究領域を結びつけ、研究者同士の交流と連携を促す役割が期待されていると考えています。さまざまな観点から脂質栄養学という共通のテーマに取り組む研究者が集い、議論を深める場として、本学会が活用されることを願っております。

本学会では、こうした脂質栄養学の発展を将来にわたって支えていくため、若手研究者が参画しやすい学会づくりを重要な柱の一つとして位置づけています。特に、大学生や大学院生の段階から、学会活動を通じて知見を深めるとともに、自身の研究成果を発表できる機会を確保することを重視しています。その一環として、学生を対象とした優れた学会発表に対する賞制度、学会費の免除、一定条件下での学術大会参加に伴う旅費支援制度などを設け、研究経験の浅い段階から学会活動に参加しやすい環境整備を進めております。脂質栄養学の研究に関心をお持ちの方には、ぜひ早い段階で学会員となり、研究活動に取り組んでいただければ幸いです。

本学会が、研究者同士の活発な議論の場であると同時に、次世代を担う研究者が育ち、羽ばたいていく場となることを目指してまいります。(2026年2月)

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